(小説)女装人間 (1)
佐々木アキラ・・・・3浪の主人公。受験勉強をひかえているが女装した兄に恋している。
佐々木ミサト・・・アキラの姉。元兄。突然、女装に目覚める。
山下タダシ・・・隣に住む既婚男性。実は密かに女装者に憧れている。ひょんなことからアキラの女装を知る。
山下ツヨシ・・・・タダシの息子。女装したアキラに恋している。
●アキラの姉?
僕には困った姉がいます。
弟の僕が言うのもなんですが色気あります。
受験である僕にとって、かなり厳しいです。
しかも、
しかもです、
姉は「兄」なのです。
ちょっと説明させてください。
兄が職を得て、一年ぐらい経った頃だと思います。
家に帰ったら、見知らぬ女性がリビングにいました。
「あ。俺だから」
意味がまったく分からず、あたふたしていると。
「俺だよ。お前の兄貴。いきなりで悪いけど、俺、今日からミサトで生きていくことにしたから。
もう兄じゃなくて、姉と思ってくれ」
びっくりしましたよ。そりゃ。
兄は全くそういう傾向といいますか、そぶりもなかったですから。
いきなり姉と呼べって言われても・・・
でも告白します。
女装した兄。
かなり、タイプでした。
実は、もうその夜におかずでオナニーしました。
そのくらいタイプでした。
それからは、部屋に忍び込んで下着をあさりました。
勉強しているとムラムラするのです。
最初は、この下着も兄貴のなんだよな、と思ってましたが、
だんだんとそんなのどうでもよくなってきました。
むしろ、逆に興奮してきちゃったんです。
性的指向は不思議なものです。
問題は、
・実の「兄」であるということ。つまり恋愛に発展しない。
・現在、受験中で勉強をしなければいけないのに、日々集中できなくなっている。
さあ、どうしたものか。