(小説)女装人間 (11)

●アキラの解決
それからは、あの鏡の中の もうひとりの自分に会うためにメークの勉強をしました。基本、真面目なんです。
 女装のペルソナに名前もつけました。 冴(さえ)って名前です。 僕は冴を少しでもお姉ちゃんに近づけたくて、 毎日メークの本を買って、勉強しました。 出来る限り時間を見つけて 部屋に鍵を閉めて女装しました。 努力の甲斐あって、短期間で随分上達したと思うのです。 まだ完ぺきとは言えませんが、かなりお姉ちゃんに近づいてきました。そうなると人に見てもらいたくなるものです。
僕は写メで自己撮りして、 女装者が写真を公開するウェブサイトの掲示板を見つけて載せてみました。 
驚いたことに、たくさんのメールが来ました。

●ツヨシの歓喜
奇跡だ! 間違いない。 
隣のお姉さんをウェブで見つけた! 
もう僕は嬉しくて飛び跳ねた。 ウェブサイトの掲示板でお姉さんを見つけた時は。 じっくり写真を見ると、 思ったよりかなり若いって思った。 僕と同じくらいに思える。 すぐにメールした。 
すると、すぐに返事があったんだ! もう嬉しくて嬉しくて。 
お姉さんはまず友達になりたいって言ってきた。 思ったよりも、ちゃんとした人だって 余計に好きになっちゃった。 
名前は冴さんって言うんだ。 かわいい名前!

●山下タダシの歓喜
冴か。 みつけたぞ。 間違いない。 
あれは隣の子だ。 ウェブサイトでみつけた。 思ったより、ずっと若いな。 
一度、外で見た時は もっと大人びて見えたが。 あの時は仕事着だったから そう見えたのかもしれない。 
いや、それにしても若い。まあ女装すると若く見える子は多いからな。 それにしても、見れば見るほど、 あの兄さんの面影があることに驚く。

私は早速メールを冴にした。 私は経験も知識もあるから援助してあげますよ。 体は求めません。 まずは、おじさんと食事にいきませんか ってね。 即答だ。 是非、会いたいって冴は言って来た。 ただ絶対にセックスはしませんと追記してあった。 なあに、すぐに向こうから セックスをお願いしてくるように調教してみせるさ。 あの部下のようにな。

●アキラの初女装デート
こんなにたくさんのメールをもらったことがなかったから 舞い上がっちゃったな。 山下さんていう 年上の男性に会うって返事しちゃった。 食事だけだし、 セックスはないって断ったから 大丈夫だとは思うけど 不安。 でも山下さんは、結婚もしてるし、 常識もあるみたい。 山下さんが指定したレストランも ホテルの高級イタリアン。 そんなところで女装デビューできるのは 自分の夢だった。 前にお姉ちゃんも言ってた。 女装で外出するなら、 ドレスアップして高級レストランが一番だって。

山下さんは 着替えとメーク用にホテルの部屋もとってくれた。 その日に着るドレスも 事前にネットで買ってあげるって言ってくれた。 こんなに女装者に理解がある人は そうそういないと思う。 でも、どんなことがあっても、 部屋で二人きりにならないようにしなきゃ。 会うのはレストランだけ。 それさえ自分で守れれば大丈夫だよね。 

●山下タダシの興奮
いよいよ今夜、 私は冴に会う。 あまり考えないようにしている。 にやけてしまうからだ。 堅物で通っている私がニヤニヤしたら、 どんな噂をされるか分かったものじゃない。 今夜は会社の同僚と飲むことになっている。 慎重にしないと、 どこでどうばれるか分かったんじゃない。 でも気を抜くと、 下着姿で私に甘えてくる 冴の姿が浮かぶのだ。 た、たまらん。私は・・・ 本当に生きていてよかった。

●アキラと山下タダシ
僕は指定されたホテルにチェックインし 女装して待っていた。 
山下さんは仕事で一時間ほど遅れて 部屋にやってきた。 
「遅れてごめんね」 
僕は心臓が止まるかと思った。 
山下さんってお隣の山下さんじゃないか! 
でも僕は必死に動揺を隠し、 なにもないようにお辞儀をした。 
「ちゃんと女装して待ってくれたんだね。冴ちゃんは実物のほうがかわいいね」 
山下さんが肩に手を置いて 興奮気味に続けた。 

「いいんだよ。怖がらなくて。でも、かわいいなあ。本当にかわいい。いい匂いするなあ。冴ちゃんの体いい匂いするなあ。いつか舐めてみたいな。色んなところ。おいしいだろうな。男の子と女の子の味がブレンドされた極上の味。おじさん大好きな味なんだよ。舐めたいなあ。冴ちゃんのペニクリおいしいんだろうな。でもわかってるよ。約束したものね。今日はセックスしないって。大丈夫だよ。おじさんは約束守るからね。心配しないで。でもね、おじさんのここ。こんなに大きくなっちゃったんだ。冴ちゃんが悪いんだよ。こんなにかわいくてエロいから。ああ。おじさん、もうなんでもガマンできるなあ。仕事で辛いことあっても、こうやって冴ちゃんの体舐めれたらガマンできちゃうなあ。」

「こ、困ります・・・」 

僕はそう言ったが、実は興奮していた。 性の対象として扱われていることに 興奮していたのだ。 

「ごめんね。おじさん、ちょっと興奮しすぎちゃったね。 今日は約束どおり、会ってお話しするだけだよ。 ほら。シャンペンも買ってきてる。 おつまみも買ってきたよ。 冴ちゃんはお酒好きかな?」 

「すみません。お酒は飲みません」 

「そうなんだ。大丈夫だよ。 ちゃんとウーロン茶も買ってきてるからね」 

僕たちはベッドの側に置いてある 小さなテーブルとイスに腰掛けた。 
山下さんはシャンペンを、僕はウーロン茶を飲む。

「冴ちゃん、今日は来てくれてありがとう。 怖かったでしょう。 あのね。冴ちゃん、こういうことは本当に気をつけないとだめだよ。 おじさんみたいないい人はほとんどいないからね。 考えてごらん。ネットで連絡取り合うことがいかに危険か。 今日ここにいることを、冴ちゃん以外の誰か知ってるの?」 

「知りません。そんなこと誰にも言えません」

 「ほらね。ということは、 今ここでおじさんが冴ちゃんを殺しちゃっても誰も分からないでしょ?」 

背筋がぞっとした。 

「おじさん、怖がらせちゃったかな。 でもね、冴ちゃん、そういうことなんだよ。 だからこれからは気をつけなきゃだめだよ」 

僕は震えが止まらなかった。 
確かにおじさんの言うとおりだ。 僕は女装ということで、それ以外のことに頭が回っていなかった。 
どうしよう。おじさんに殺されたらどうしよう。

「どうしたの、冴ちゃん。 まさか、おじさんに殺されるかもしれないって思ってるの? 大丈夫だよ。 おじさんはそんなバカじゃない。 ただね、冴ちゃん。 おじさんとの約束守れるかな。 今日、ここで会ったことを誰にも言わないって約束できる?」 

どう考えても、 約束できなければ殺す という意味ではないのか。 


「はい。約束します。誰にも言いません」 僕は即答した。死にたくない。

「本当に信じていいのかな?」 
「はい。絶対に約束します」 
「うん。分かった。冴ちゃんの言葉信じるよ。 じゃあ、今夜は楽しく行こうね。 ところで、冴ちゃんこの膨らんでいるのはなにかな?」 

そういって僕の固くなり始めた部位を 山下は手際よく撫で回す。 

「いえ。あの、その」 
「冴ちゃん、怖がってると思ったら興奮してたんだ。 こんなに大きくして。かわいいなあ」 

どうしよう。 感じてる。 激しく感じてる。 
さっきまで殺されるかもとか思っていたくせに、 今こんなに興奮してる。 どうしよう。 もっと触って欲しいって思ってる。 そんな僕の気持ちを察したのか、 山下は焦らすように言う 

「大丈夫だよ。約束どおり、今日はなにもしないからね。安心して」 

山下は微笑み、手をゆっくり引っ込めた。 僕はそのじらしに苛立ちさえ感じた。それを山下も察したのか、

「もしかして、もっと触ってほしいのかな?」と意地悪に言った。

僕は心を見透かされたようで黙っていた。すると山下は背中に手を回し、ブラジャーを外してしまった。
僕は思わず「あん」と言ってしまった。

「冴ちゃんはもう女の子なんだね」
山下はトップの下から手を入れて、僕の小ぶりの胸のふくらみを触った。
「はうっ」山下の指が僕の乳首に触れる度に全身がしびれた。

「冴ちゃん、感じやすいんだね。かわいいよ」
そう言いながら、下半身に手を伸ばした。
スカートの裾をまくって、すでにパンティをもっこりと押し上げた個所に指を這わせる。
「あうっ。そ、そんなこすられたら・・・」
「ふふふ。冴ちゃんは隠せないね。ここをこんなに固くして。かわいい。本当にかわいい」
もう限界だ。今は、ただ山下も気もちよくさせたいって思った。 
次の瞬間、気がついたら 山下さんのペニスをほお張っていたのだった。 
部屋にこだまする じゅるじゅるという音で 気づいたのだ。 

「ああああああ。いけないなあ。いけないなあ、冴ちゃん。こんなに上手に咥えてくれるなんて。いけないよ。いけないよおおおおお」
山下さんはそう言いながら僕の胸を再度、乳首を上手に刺激した。
ペニスを加えながら、乳首を刺激されるのは初めてのことだったので、完全に女の子になった気がして体中に電流が走った。

山下さんのものは巨根といっていいサイズだった。えらも張り出し、強い男の味がする。ずっとしゃぶりたくなる味。
自分は女の子だって思える味。
僕は吸いながら傷つけないように舌をからめ、もっと大きく、固くしたい一心で奉仕した。
山下さんは低い声でうなりながら、もう一度、僕の下半身に手が伸びてきた。
「冴ちゃんのも立派だね。大好きだよ。冴ちゃんのおちんちん」
そういうやいなや、山下さんは僕の下半身に顔を埋め、じゅるるるると激しい音を立てながら吸い立て始めた。
「うまい。うまい。パンティ越しでもうまい!」
山下さんはすぐにパンティを下ろし、僕のペニスを口にほおばり、ねっとりとフェラをし始めた。
僕は「わたしは山下さんの女でーーーす」と叫んでいってしまった。
これまでの人生で最大のエクスタシーだった。

●冴、もしくはアキラの視点
家に帰ってきた。
あれから、あの瞬間のことを何度も何度も思い返してはオナニーしている。
ううん。それだけではない。
記憶が最大限に炸裂して、輝きながら暴走するような激しい感じ。もう僕は以前のようには戻れないかもしれない。
これから自分はどうなっていくのか、わからない。山下さんにもっともっと会いたいし、もっと肉欲におぼれたい。もっともっとたくさんの僕に欲情してくれる人と経験したい。淫乱という言葉が陳腐に思えてしまう状況に今、僕は陥っている。
朝になると冷静な脳みそが活動して、会社に行こうってなるけど、仕事も落ち着いて余裕ができるとうずいてしまう。体が。それ心が・・・

つづく


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