(小説)女装人間 (10)

●アキラの目覚め 
姉のぺ二クリをほおばった瞬間、 体中に興奮と同時に ある種の安心感が電気のように駆け巡った。 
僕はこの時を ずっと望んでいたのかもしれない。
おいしい。 ああ。おいしい。 
頭のてっぺんから足の先まで快楽が突き抜ける。
口の中に広がる男と女の味。 パンティの香り。 香水。 全てが混ざり合い、 僕の興奮を極限まで導いてくれる。 
僕は幸せだ。 

「あふうっ」 

姉のあえぎ声が聞こえる。 僕は自分だったらこうして欲しいな、 とか、 これが気持ちいいいかな、 とか 一生懸命考えながら舐める。 一心に舐める。吸う。味わう。 それに反応して 姉があえいでくれるのこの嬉しさ。 
フェラするってこんなにいいものだったのか。

もしかしたら、 僕はフェラをずっとしたかったのかもしれない。 
AVを見ていても、 途中から女優さんを見ているのか、 舐めている女優さんに感情移入しているのか 分からない時があった。 今こうやって、姉のペニクリを舐めて、 はっきりと僕はフェラがしたかったのだって思ったのだ。 

「何ぼ~っとしてるの。早くご飯食べなさい!」 

母の言葉で現実に引き戻された。 
あれから何度も姉とのことを反芻して思い出していた。
仕方なく、朝食を食べる。 
目玉焼きにトースト。 前はご飯と焼き魚だったのを僕が洋風にしてくれってお願いしたのだ。 

あの日からから僕の何かが大きく変わってしまった。 食の好みだけでない。女性に興味がなくなってしまったのだ。 
グラビアにも全く反応しなくなってしまった。
僕は女装する兄によって 性的嗜好を完全に変えられてしまったのだ。

「アキラ、そんなぼ~としていて受験大丈夫なの?」 

母の言葉と姉への思いのギャップに軽い吐き気を覚える。もう受験なんてどうでもいいんだよ。
それよりも、どうやったら姉ともう一度できるだろうか。 
ああああああああ。姉ともう一度、してみたい。 
でも、こんなことは一回だけにすべきだ。 姉もあの時のことは、 もう2週間も経つが一切触れなかった。 
お互いに分かっているのだ。 即刻、終わりにしなくてはいけないということを。 

あれから何回、 姉を思って自慰したか分からない。自慰しかないのだ。
回数ごとに興味を失っていく自慰と、 すればするほど加速する自慰があると思うのだけど、 姉を思った自慰は不幸なことに後者だった。 
もうどうにも我慢できないところまできていた。 
とはいえ、兄弟だ。 しかも、女装してるけど男同士。 いくらなんでも異常すぎる。 
同性愛で近親相姦。 どう考えても理解されることはないだろう。 
だから、 せめて、 あと一度でいいからできないだろうか。 
一度でいい。 
姉のあの そそり立ったペニクリをまた味わってみたい。 
それから、その後のことは考えたい・・・
 
まず姉にこう言おう。 
あの日以来、 僕はお姉ちゃんのペニクリばかり考えています。 あの味が忘れられないんです。 実の姉のペニクリを舐めたいなんて 自分でも頭がおかしくなったって思うけど 事実なのでしょうがないんです。 助けてください。 頭はそのことで一杯なんです。 全く勉強にもなりません。 このままじゃ大学も確実に落ちます。 だから、お願いだよ。お姉ちゃん。 一回だけで僕は忘れるから。 

それとも、これはどうだろう。 

僕、大人のおもちゃで ディルド買いたいんだけど、 姉ちゃん、どこで買ったらいいか教えてくれない? 
もしかしたらお姉ちゃんが哀れんで 
「そんなにおちんちんの味がよかったの。 仕方ないわねえ。じゃあ、一回だけだよ」 
なんて・・・・・・ ならないか。 

結局、僕も姉に何も言えず、 むしろ時が経つにつれ、 姉は僕を避けるようになってしまっていた。 
でも僕はどこかで安心していた。 これでいいんだ。これが正常だよ。 冷静に考えたら 僕にとってはお兄ちゃんじゃないか。 

それで僕は 自分の中に女性を作ることにしたんだ。 
つまり、 自分が女装をすることにしたのです。 
兄弟なだけに、 僕が女装すれば、 お姉ちゃんに似るかもしれないしね。 

鏡の中で会えるかもしれない!

僕は貯めていた貯金を使って女装クラブ行きました。 そこで女装してもらうことにしたのです。 

びっくりしました。

本当に。 お姉ちゃんに似るかもと思ってはいましたけど、 まさかここまで似るとは! 
僕は鏡の中の自分に すっかり恋してしまったのです。

つづく

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