(小説)女装人間 (8)

●ツヨシの覚醒
ずっと気になっていたんです。 
お隣のベランダにひらひらと舞うストッキング。 

丁度、僕の勉強部屋から見えるんですよね。 僕たちは父の転勤で引っ越してきたんです。
今年の初めですかね。 だからお隣がどんな人か知らないまま ストッキングがひらひらしてた感じです。 

一体どんな女性が穿いているのかな。 

ストッキングと一緒に干してる派手なランジェリーから想像すると、 お仕事をしてる時は真面目だけど、夜は豹変みたいな。 引越ししてから2週間ぐらいですかね。 

その持ち主らしき女性を見かけたんです。
 
丁度、ベランダに干すところをチラッと。 
想像通り、派手な感じの人で。 ああ。納得みたいな。

でも、 その時点ではそんなに興味はなかったんですよね。 
なんていうか、 想定内の派手な女のストッキングかって思ったら、 冷めたというか。 
それが、両親が夕食の時に話しているのを聞いてからですね。 変わったのは。 

実は お隣のその派手な女の人は女性じゃなくて、 女装した男だって。 

びっくりしましたよ。 
確かに言われてみれば、派手だなって思いましたけど、 まさか男とはね。 
両親はどちらも真面目なタイプなので、 女装に対してよくは思ってなかったけど、 僕はすっごく興味があったんです。 
なので、その話を聞いてから、 ベランダのストッキングを見る度に胸がドキドキするようになったんですよね。

それからまた二週間ぐらい経った頃ですかね。 
お隣のストッキングが僕の家のベランダに落ちてたんですよ。 
思わず、すぐに手にとって部屋に持ち込みましたね。 机の上において、しばらく眺めました。 思わず持ってきちゃったけど、 今頃探してるのかなとか不安でしたが、 興奮が勝ってしまいましたね。 

だって罪悪感よりも勃起してる僕みたいな。 

まず手にとって、ストッキングの滑らかな手触りにどきっとしましたよね。 
触っただけで胸がきゅんとするというか。 もう、すぐに匂い嗅ぎたいなって。 
ストッキングに顔を埋めると洗剤のいい香りがしました。 
そうなると、自然に次は穿いてみようってなりますよね。

部屋の鍵を閉め、カーテンを閉めて、 ズボンとパンツを脱ぎました。 
よし。はいちゃえって。 

・・・・待てよ。 

もし僕の家に探しにきたらどうしよう。 
そっちに飛んでいったのが見えたんですがって言われて。 
そう思うと不安になって。 
でも、いいや。とぼけよう。 

知りませんって。 

ここまできたらガマンできですからね。 
もう、穿いちゃえ。 
それから考えよう。 ・・・・

う。こ、これ。穿きかたがわからない! 

どっちが前だ。 裏だ表だ。
ちょっとひっぱったらきれそうだ。 
う~ん。わからん! 

仕方ないのでネットで調べることにしたんです。 
まずは、つま先部に全ての部分を巻き込む。 
次に、つま先部を穿かせ踵、足首、すね、膝、太ももを足にフィットさせる。
 両足の太もも部をたくし上げ、最後にでん部にフィットさせる・・・

順序に従って ストッキングを穿いてみました。 
つま先にストッキングを通した瞬間から、 快感が湖に落ちた小石の波紋のように広がってきます。 
ぞく、 じわじわ、 ドキっ、 じわじわって感じです。 
ストッキングが上にたくし上げられていくに従って、 快感の強度がどんどん増しました。 
そして最後、 ウエスト部分までひっぱり、 ストッキングが股間にフィットした時、 強烈な快感が僕を襲いました。 
僕はおおおと呻きながら、 あっという間にストッキングの中で果てました。 

ナイロンの光沢。 ポリウレタンの伸縮性とその肌触り。 

そして、 それがペニスを包んだ時の激しい快感。 
その日から僕は完全なストッキング・フェチになりました。 
離れた街のコンビニで買ったストッキングをはいて、 隣に住む女装のお姉さんを想ってオナニーをしました。 
パンストを穿いたお姉さんに顔面騎乗してもらったり、 ストッキングに包まれたつま先でペニスをしごいてもらったり、 太ももではさんでもらったり、 考えられる限りの想像をしながら何度も果てました。 
ああ。僕は・・・

最初はストッキングの中で勃起する 自分のペニスに抵抗ありましたけど、 繰り返しオナニーしているうちに、 その組み合わせに興奮するようになりました。 
今では、ストッキングにペニスがないと興奮しません。 
それで自分は同性愛者なのかって悩みましたけど、 それ以上に快感が強いので気にならなくなりましたね。 

それから学校に行く時も パンストを穿くようになりました。 
最初に穿いた時の緊張は忘れられません。 誰にも分からないよう パンストの上から靴下を履いて、 ズポンで覆いました。 
これで誰も僕がパンストを 穿いているなんて分からないわけです。 
それが快感なんです。 変態でしょう。 自分でもそう思いますが、 気持ちいいから止められないのです。

いつもきつめのパンストの中で 激しく勃起しています。 
動く度にナイロンの感触がペニスを擦ります。 
これが喩えようのない快楽でして。 誰も知らないから余計に興奮してしまうんです。 
一度、授業中に果ててしまったことがありました。 あの時は困りました。 
代えのパンツを持っていなかったので。 それからは必ずパンツを携帯するようにしました。 
それでも一ヶ月ほどで ストッキングだけでは物足りなくなってきました。 
パンティーも穿きたくなってきたんです。 欲望って進化するんですね。 困ったものです。 
ストッキングはコンビニでなんとか買えますが、 パンティはハードル高いです。 これは本当に悩みました。

ネットで買うという方法もあるけど不安ですよね。 
いくら中身を表示しないと言っても、 家族が開けたらとか思うと。 
「開けないで!」って事前に言えば、 勝手に開封はしないでしょうが、 逆に「一体なんなの?」って思うでしょうしね。 その前に下着はどれも高価なので 買えませんけどね。 
仕方ないので 夢想ばかりしていましたね。 

例えばこんな。
 
ひょんなことから、隣のお姉さんと知り合いになって、 女装を教えてもらうんです・・・

つづく

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